Part5 土呂久を語り継ぐ

修学旅行

 2009年6月、東京の高校生が修学旅行で土呂久を訪れた。高校生が修学旅行で土呂久を訪問するのは初めてのことだった。前夜、高千穂町内の旅館で土呂久公害の講義を聞き、当日は佐藤慎市さんの案内で鉱山跡を見学した。
 環境基準を超える砒素をふくむ水が流れ出す大切坑、猛毒亜砒酸を製造した窯が並んでいた山の斜面、鉱山労働者が体を洗った風呂場の跡などを見て回った。
 見学後、高校生は「こんな山奥の集落に深刻な公害が起きていたなんて……。情報を発信していかないと、被害の歴史が埋もれてしまう」「水俣や四日市など有名な公害よりも、知られていない分もっと悲惨だ」と語った。
 土呂久鉱山跡へは、その後も、修学旅行の高校生が見学に訪れている。

土呂久へバスに乗ってやってきた東京の高校生

鉱山跡を見て回る高校生