Part4 慢性砒素中毒症

あっせん受諾者にも公健法適用

 公害健康被害補償不服審査会は1990年3月27日、知事あっせんを受けた9人が公健法の給付を求めて起こした事案の裁決をだした。7人の請求を棄却し、2人については一定の条件をつけて給付を認める内容だった。給付が認められたのは、あっせんを受けたのちに皮膚がんと慢性気管支炎を発症した2人だった。
 公健法が適用されるようになって16年間、宮崎県があっせん受諾者に法の給付を認めなかったために、あっせんによる低額一時金と法による給付金累積額の格差は開いていくばかりだった。たとえば同じ肺がんで死んだ患者の場合、あっせん受諾者は350万円の一時金で打ち切られたのに、公健法を受けた患者と遺族は給付累積は3000万円を超えていた。審査会は、こうした格差をなくすために、あっせん後に重要な症状が現れたときに限り、公健法受給の道を開いた。
 宮崎県は1991年5月17日、この裁決を指標にした「あっせん患者に対する法に基づく補償給付支給基準」を発表した。あっせんのとき砒素中毒とみなされていた症状が予測を超えて悪化した場合と、あっせん後に砒素中毒に加えられた症状が現れた場合に、公健法の給付を開始するという内容だった。この基準に基づいて、あっせんを受けた生存患者44人のうち7人に法が適用され、障害補償費などの支給が始まった。

あっせん受諾者に公健法適用 (宮崎日日新聞)