Part4 慢性砒素中毒症

認定要件の変更

 環境庁は「慢性ひ素中毒症に関する会合検討結果報告書」(1981年9月10日)を受けて、同年10月28日に新しい認定要件を通知した。

認定に必要な要件
法による「慢性砒素中毒症」とは、次の(1)に該当し、かつ、(2)にも該当するものであること。
(1)砒素濃厚汚染地域に居住し、無機砒素化合物に対する長期にわたる暴露歴を有したこと。
(2)次のいずれかに該当すること。

  1. 皮膚に慢性砒素中毒に特徴的な色素異常及び角化の多発が認められること。
  2. 鼻粘膜瘢痕又は鼻中隔穿孔が認められること。
  3. 1.を疑わせる所見又は砒素によると思われる皮膚症状の既往があって、慢性砒素中毒を疑わせる多発性神経炎が認められること。

 なお、(1)に該当し、(2)の1.を疑わせる所見又は砒素によると思われる皮膚症状の既往があり、かつ、長期にわたる気管支炎症状がみられる場合には、その原因に関し総合的に検討し、慢性砒素中毒であるか否かの判断をすること。

 砒素によって全身におこる症状の中から皮膚、鼻粘膜、末梢神経、呼吸器の症状だけを拾ってつくった基準であった。さまざまな非特異的症状を総合的に判断するとした公害健康被害補償不服審査会の裁決から後退した内容だった。

1981年に変更された認定要件