Part4 慢性砒素中毒症

慢性砒素中毒症の療養の範囲

 公害健康被害補償法は、認定された患者が慢性砒素中毒症の治療を受けたときは、医療費や療養手当を支給することにしている。では、どんな病気が支給の対象になるのか? 宮崎県は環境庁と相談して「慢性砒素中毒症の療養の範囲」という文書を作り、1978年5月に医療機関に配布した。そこには、1)認定要件にかかわる症状、2)障害等級の決定にかかわる症状のほかに、3)慢性砒素中毒症に起因すると考えられる症状が含まれていた。行政は、認定された患者がかかっているさまざまな非特異的症状について、砒素が原因になっているとみなしたのだ。
 2011年11月現在、 「慢性砒素中毒症の療養の範囲」は以下のようになっている。

  1. 慢性砒素中毒症の認定要件に定められている皮膚・鼻の病変、多発性神経炎、慢性気管支炎
  2. 慢性砒素中毒症との関連が濃厚と考えられるボーエン病、皮膚がん、肝脾症候群、肝硬変、肝がん、肺がん、尿路上皮がん
  3. 慢性砒素中毒症に起因すると考えられる胃腸障害、栄養障害、腎障害、肝障害、造血器障害、呼吸器障害等

松形祐尭知事の土呂久視察