Part4 慢性砒素中毒症

行政健診も全身症状を裏付け

宮崎医科大学(現・宮崎大学医学部)皮膚科の井上勝平医師は、行政不服審査会の口頭審理で「最近まとめた論文の中に、土呂久地区認定患者のなかには高率で呼吸器症状、眼症状などを訴える者があると書いた」と述べた。その論文は「慢性砒素中毒症ー土呂久地区廃止鉱山周辺の症例ー」(1976年)で、1974年10月までに認定された48人の患者について、「皮膚症状、呼吸器症状、耳鼻咽喉科症状ならびに神経症状が高率に認められる」と記していた。井上医師は、宮崎県の認定審査会委員をつとめ、行政がおこなう健診の皮膚科を担当していた。宮崎県の実施した健診でも、砒素中毒に認定された患者が、全身にさまざまな症状をもっていることが明らかになった。

審査会の土呂久現地検証


行政健診も全身症状を裏付け