Part1 発掘された公害病

第4の公害病

一見のどかな山村に「第4の公害病」が埋もれていた

 公害健康被害補償法は、公害病を一種地域(複数の企業活動が原因となった疾病)と二種地域(特定の原因物質による疾病)に分けている。一種地域は慢性気管支炎、気管支ぜん息、肺気腫などの患者が多発した全国41カ所の大気汚染地帯。二種地域はイタイイタイ病の発生した富山県の神通川流域、水俣病患者の多発した熊本県と鹿児島県の不知火海沿岸、新潟県の阿賀野川流域、それに慢性砒素中毒患者が見つかった宮崎県高千穂町土呂久鉱山周辺と島根県津和野町笹ケ谷鉱山周辺である。
慢性砒素中毒症は、大気汚染による呼吸器疾患、カドミウムによるイタイイタイ病、有機水銀による水俣病につづいて4番目に加わったことから「第4の公害病」といわれる。
 認定された患者は法に基づいて、療養の給付および療養費、障害補償費、遺族補償費、遺族補償一時金、児童補償手当、療養手当、葬祭料を受けることができる。
 宮崎県による認定が始まってから、土呂久公害の認定患者は187人、そのうち生存者は50人(2012年1月現在)である。
 なお一種地域は、1988年3月に指定が解除され、新たな患者の認定はなくなった。