Part1 発掘された公害病

砒素による健康被害を認める

 宮崎県は1972年7月31日「土呂久地区の鉱害にかかわる社会医学的調査」の最終報告書と専門委員会報告書(倉恒報告)を発表した。専門医報告は、公害否定の中間報告を軌道修正し、砒素による健康被害を認め、次のように提言していた。

  • 7人は皮膚症状からみて慢性砒素中毒症と考えられる
  • 土呂久に過去、砒素による健康障害があったと考えられる
  • 肺がんに砒素の影響は否定できない
  • 砒素、亜硫酸ガス、鉛、銅、アンチモン、亜鉛も放出されたが、健康被害に主な役割をはたしたのは砒素ついで亜硫酸ガスであろう
  • 亜砒酸は、皮膚障害、呼吸器の悪性腫瘍のほか、肝障害、血液、神経に影響を与えることがある
  • こんご長期にわたって、内科、小児科、眼科、皮膚科、呼吸器科等の保健サービスが必要である

 この報告を受けた環境庁(現・環境省)は1973年2月1日、土呂久に多発する慢性砒素中毒症を公害病に指定した。

土呂久鉱山跡を訪れた黒木知事 (宮崎日日新聞社提供)