Part1 発掘された公害病

土呂久(とろく)

 土呂久は、古祖母山(1633m)の中腹に位置する谷間の集落である。林道から見おろす土呂久は庭園のように美しい。東西からせまる山々は、深い緑におおわれ、谷川をかける渓流は、大岩にくだけてしぶきをあげる。春は咲き乱れる花、夏は白糸をひく滝、秋は紅葉、冬は見上げる高山の樹氷、四季折々の景色を楽しむことができる。

「とろく」とは珍しい地名である。「土呂久」の字をあてたのは1930年代からで、古文書には「猪鹿」「外録」「土路久」と表記されていた。

過疎の進行は深刻で、1970年に50世帯250人が住んでいたのに、2010年には30世帯110人に減少した。代わりに野生動物がふえて、猪と鹿と狸のすみかに戻りつつある。

宮崎県西臼杵郡高千穂町岩戸・土呂久